電話

自分の気持ち。仲直りと謝罪。嫌いな電話。


…『あの噂、本当なんですか?』
そして、返答。

彼からの返事が来た!
受信するや否や、もどかしく開く。

「確かにそういう噂はある様だけど、『誰にでも』声なんか掛けないよ」
「俺はナンパしてるつもりは全く無いし」
「確かに誤解されやすい喋りはしてるかな、とは思うけど…」
「後はお前が俺をどう思うか、だな」
「俺を信じるか信じないかは、お前に任せるよ」

率直に淡々と語る彼の言葉。
そして、私はある部分で、思わず目を見張ってしまった。

「これでお前に嫌われたかな、と思うと、少し辛い」
「結局俺は、ゆみなの事を本気で好きになっていたのかもしれないな」

(告白なの?それとも…やっぱり噂は本当?)

心の中がぐるぐるする。
ナンパじゃない、と断言した彼。
頼むから俺を信じてくれ、と嘆願するわけでもない。

でも…私の事、好きですって?
それって、ナンパじゃないの?
調子いい事言ってるだけじゃないの?

ネットを落ちるとすぐ、お風呂に入った。
静寂の中、湯船に浸かる。
声を押し殺して泣きながら、自分の気持ちに整理をつけていった。

結局、私が彼をどう思っているか。
それだけの事じゃないかなあ。

翌日、ネットに繋ぐと同時に彼にICQを飛ばした。
私からメッセージを送るのは珍しい。
とにかく、彼に謝りたかった。

「変なメール、送ってごめんね。疑ったのも、悪かったし」
「大丈夫だよ。ああいう誤解は、慣れてるから」
「…調子いい事言うけど。これからも、仲良くしてくれるかなあ」
「んなの、当たり前だろ?^^」

良かった!
心底、ほっとした。
これからも彼といられる。
前日、泣きながら出した結論は…「彼が好きだ」という事だった。
(どうしようもなく好きだ、だったら信じるしかないでしょ?)

でも、あんなひどいメールを出してしまった。
とてもじゃないけど、「好き」なんて言えた立場じゃない。
だったら、「これからも仲良くしてね」で我慢しよう。
そして私は、ここで初めて、彼に自分の携帯電話の番号を教えた。

大嫌いなはずの電話。
彼から掛かってきたものなら、取る事が出来た。

そして、季節は2月へと移り変わる。


 「ICQ」へ戻る「バナナケーキ」へ進むGirlMeetsBoy目次へトップページへ