2000.12.13(Wed)
卵なしケーキ![]()
少し前のお話しです。
食物アレルギー。
あたしの場合、卵がだめ。
卵そのものは当然のごとく、卵を使った製品も、だめ。
マヨネーズ、×。
カルボナーラ、×。
オムレツ、絶対に×。
ちょっとでも卵入りは、全部×!
もちろん、ケーキも、×。
物心付いた頃には、既に卵アレルギーだった。
だから、卵が食べられない自分を別に変だと思ったことはない。
「お誕生日にケーキが食べられなくって、かわいそうね」
でも、小さい頃からケーキも食べなかったんだもの。
食べると口の中がかゆくなるし、アトピーも喘息もひどくなるし…。
(それに、ケーキなんてあまり好きじゃないし、いいんだ。)
家族誰かの誕生日。
「おねーちゃんは、ゼリーね」
それが当たり前のこと。
たまに「おねーちゃんのゼリー、買い忘れちゃった」…。
そんな時は、何故か唯一、大丈夫なチョコケーキを食べる。
でも、チョコケーキだって卵入り、半分食べて「もういい、誰かあげる」。
みんながケーキを食べる横で、おせんべいをぼりぼり…。
(まぁね、ケーキは余り好きじゃないから、別に構わないのよ)
そうやって諦め諦めやってきた。
ところが、ある日だーりんが一言。
「だめだからって、あきらめちゃだめでしょ」
そう言って、あたしの25回目の誕生日に、卵なしのケーキをくれた。
彼が地元で偶然見つけた、卵なしのケーキを作るお店。
さっそく電話して、さっさと予約して、誕生日プレゼントにしてくれた。
ショートケーキにアップルパイにチョコケーキに、モンブラン。
(あのてっぺんのぐるぐる、どこまでほどけるのかな)
小さい頃、モンブランをおいしそうに食べている家族が羨ましかった。
家に帰って真っ先に口にしたのは、もちろんモンブラン。
「…おいしい!」
いままでね、ケーキが美味しいなんて、思ったことがなかった。
本当は食べたいのに食べられなかった。
そのジレンマから無理やり『あまり好きじゃない』って思ってただけなんだよね。
箱の中のケーキは全部で8個、家族中で味見。
「これ、ケーキじゃないよ。ぱさぱさしてて、卵入ってないって、なんか変」
勝手な事を言いながら、みんなもぐもぐ食べている。
その中で、かーさんが本当に嬉しそうに笑いながら言った。
「あんたがケーキ、食べられるなんてねぇ。よかった」
卵の入ってないケーキはケーキじゃないのかもしれない。
でも間違いなくこの味が、あたしのケーキの味、なんだから。
生まれて25年目にして…初めてケーキを、2個も食べた。